山口 裕通 准教授
Yamaguchi Hiromichi
研究紹介
新幹線・航空などの長距離旅客交通サービスは,「遠くの人・もの・景色と直接会う行動」を支える,重要な社会インフラです.この行動は,情報通信技術が発達する中でも重要であり続けると考えています.例えば,「旅行先で会う人との深い議論を通じた知識の取得・重要な意思決定」(業務出張),「普段と異なる環境におけるリフレッシュや新たな発見」(観光),「遠くなはれた大切な人との人間関係の維持・親密化」(帰省,冠婚葬祭,私用),「災害時等における,遠くに住む人に対する救助・支援活動」,といった旅行行動については,当面は通信技術に完全に代替されることなく,人が移動することが望まれ続けることでしょう.
それでは,どのような旅客交通サービスを整備すれば,その役割を最大限はたせるのでしょうか?,新幹線等の長距離旅客交通サービスを新しく作ることは,どのようなことを意味しているのでしょうか?
山口の研究グループでは,携帯電話位置情報などの膨大な時間×空間の移動行動データの解析で上記の疑問に答えつつ, よりよい長距離旅客交通サービスのあり方・計画方法を検討・提案すべく研究を進めています.
研究対象
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都道府県間旅行量
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北陸新幹線開業の効果
メッセージ
近年は,デジタルデバイスに残る記録などを中心に,膨大なデータを扱えるようになってきました.しかし,それ単体ではただの膨大な記号の羅列にすぎません.その膨大な記号から価値ある情報を取り出すためには,そのデータが得られたメカニズム(「旅行」では人々の思考など)についてじっくり考えながら,仮説の設定&データを用いた検証を繰り返していく必要があります.
我々の研究室では,「旅行行動」を題材として,データから価値ある情報・知識・知恵を取り出す解析手法と,それをわかりやすく発信する技術を中心に勉強・鍛錬してもらいます.そのなかで,「旅行」について探求する時間を一緒に楽しみたいと思います.