西野 辰哉(達也) 教授
Nishino Tatsuya
研究紹介
20世紀の都市や建築は人口が増えること、たくさんつくることを前提にしていました。しかし日本では2008年頃をピークとして人口が減り始めています。人口が減り、高齢化が進む日本で、都市や建築はどうあるべきか、新たな理論と実践が求められています。新しい地域や建築の計画のヒントとして、古い建物を再生して、その地域を活性化していく試みが全国の市町でみられますね。このように既存の建物を現在の地域のニーズとつなげるのが「リデザイン」です。ヨーロッパの建物には築100年以上のものが多くあります。それらは時代のニーズに合わせてリデザインされて、使われ続けています。21世紀の日本、とくに地方都市の建築はリデザインが主流となっていくでしょう。
研究対象
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使われ続ける建物
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廃寺のリデザイン
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人口減少と都市と建築
メッセージ
人口減少と高齢化は世界の先進国で日本が最も早く直面する事態です。さらに、脱炭素やレジリエンス向上、デジタル化など、私たちを取り巻く環境は大きく変わりつつあります。このような時代を生きのびるには、知識と技能を文理横断的に身につけ、論理的思考力をもって、時代の変化にあわせて社会を改善していく資質が求められます。建築計画は社会の実態を把握し、そのエビデンスをもって建物や都市の計画条件を定め、さらに建築設計は様々な専門知を統合して設計与条件を満たす建物を提案します。この一連のプロセスは、ひろく社会の実相を捉え、様々な専門知識・技術を統合するものであり、新しい時代を生きのびるための知のトレーニングです。