古地磁気研究室

臼井 洋一
准教授 Usui Yoichi

地磁気:覚える鉱物、感じる生物、読む人間
研究テーマ地磁気変動、環境変動
研究分野古地磁気学、生物地球磁気学

研究紹介

ナノ・マイクロ鉱物をもとに地球の歴史を研究しています。主要な方法は、鉄鉱物が記録する過去の地球磁場を読む「古地磁気学」で、これを使って地球内部や表層環境の変動、プレートの運動などの復元と、それらのメカニズムの理解に挑戦しています。最近の興味「Q」と成果「A」は以下の通りです。
[Q-1]: 安定な地磁気はいつからあるのか?
[A-1]: 34.4億年前の記録は発見したが、34.7億年前の岩石では判断保留。熱が逃げる前の過去の地球内部は今より熱いはずで、なぜ磁場が作れるのかよくわからない。もっと古い石を測る予定。
[Q-2]: 海底の磁性細菌(体内に鉄鉱物を作る細菌)はどこに、どういうものが、どれくらいいるのか?
[A-2]: マリアナ海盆から新種の磁性細菌の痕跡を発見。太平洋ではエサの量で種が変わっているのかも。エサが極端に少なくなってもわざわざ鉄鉱物を作り続ける理由は謎。培養したい。これらの他に、深海の泥の分析を通して、過去の大気中の塵に含まれた微小鉱物の研究も行っています。

研究対象

  • 野外での試料採取

メッセージ

目には見えない地磁気の磁力線が、現在の南極から北極へつながっています。鉄鉱物は天然のハードディスクとしてこの地磁気を記録することができて、35億年前の地球中心核の発達や地磁気の逆転など、壮大な変動を伝えています。一方で、渡り鳥やサケ、バクテリア、もしかすると犬や牛は、体内のコンパスで地磁気を感じて方角を推定しているかもしれません。こうした記録や感覚を科学的に読むことができるのは、私たち人間だけです。注意深い分析と自由な発想で、見えない世界・戻れない過去を描き出しましょう!