実験地形学堆積学研究室

遠藤 徳孝
准教授 Endo Noritaka

川も山もじっとしていない
研究テーマ地形発達のダイナミクス
研究分野地形学,堆積学

 

研究紹介

地形学はその名の通り、地表の形態に関する学問です。単なる分類ではなく、現在私たちが目にする地形がなぜいまのような形になったのかを解明し、さらに未来像を予測する分野です。
当研究室では、室内モデル(アナログ実験ともいう)を主なアプローチとして、地形発達を研究しています。モデル実験とは、簡単に言うと地形のミニチュアによる現象の再現です。すべてのプロセスが同時に縮尺通りに、自然界と全く同じように進むわけではありませんが、個々の現象(素過程)に着目することで、自然界で数万年以上かかる変化を短い時間で観察することが出来ます。素過程の理解を足掛かりに、現実の地形に対して過去に起きた変化を推測し、それに基づいてコンピューター・シミュレーションを用い、地球環境の大きな要素である地形の過去から未来を推定します。また、時々は野外調査に出かけることもあります。最近は山岳河川の発達過程を主な研究対象としています。

研究対象

  • 地形発達実験でできた谷頭の3D画像
  • 地形発達実験で再現された分水界
  • 四万十川の穿入蛇行

メッセージ

川の形状はいつ見ても変わらないように見えますが、長いタイムスケールで見るとゆっくり動いています。平野の河川は川が運んできた堆積物の上を流れているので比較的短い時間(数年)でも小さな変化が見られますが、山の谷間を流れる川は数千年以上の長い時間がかかります。山岳を流れる川の場合、地殻変動による山地の隆起とも関係しています。川も山も、生きている地球の証です。川だけでなく、谷や尾根の位置も、隣の流域との境界である分水嶺も長い年月とともに移動していきます。